スクスタ2nd Seasonを越えて
今更ですが
スクスタがサ終と相成りましたが、読もう読もうと思って遅かった私は47章8話までを録画したところで間に合わなかったのでした。
一応その時点で26章辺りまで読んだ上で、その後は録画優先で読むのを後回しにして。
で今日はやっと30章まで読み終えたのでその話です。
前提
スクスタが何か、20章だの2nd Seasonだので炎上したことは触れる前から知っていました。
知ってはいましたがそれはそれとして、ウィン丸にドハマりしたのを騒いでいたら「ウィン丸好きな人がハマる女はスクスタの方がいそう(意訳)」みたいな言葉をもらったのもあり、何となく気になっていたので読めるだけ読むぜということで。
読んだ感覚として、大前提が「私は2nd Seasonめちゃめちゃ好きだな」なので、タイトルで検索して引っかかって見に来た「2nd Season合わなかった人」とか「20章で読むのを辞めた人」は読まないほうがいいですマジで。
各キャラについて
2ndといえば、まあ鐘嵐珠とかミア・テイラーとか三船栞子とかDiverDivaとかしず子……まあ色々フォーカスありましたよね。
特にですが三船とミアとランジュめちゃめちゃ好きになってしまったんでそこ3人をPUで。
三船栞子
初登場のときからかなり好きでしたが、2nd読むとさらに好きになって、今この瞬間は仕事帰りにOVAを見た衝動で書いてますが三船栞子が好きです。
スクスタに限って言うなら、初登場は人によっては印象悪かったんだろうなーと思いますが、どうなんだろう。
「適性」を語って違う道を示していくというのはなかなか凄いというか、人を見る目があり過ぎる。
生徒会長戦の「どう返されたところで、今のあなたの言葉に力などありません」とか名言ですよね……!切れ味が良い……!
私は言動の切れ味がいい女が好きなんだなあというのをこのところで再認識しましたが、間違いなくその一端を担うキャラですね。
「適性のない人間が入部しても無駄」「このほうが皆のためになるのに」とか、硬いし真面目だし不器用だし発言はストレート過ぎるし、でもそれでこそ、そこが変わったり変わらなかったりすることに魅力があるんだと思います。
2ndにおいてはランジュのこともあり部にいるわけですが、何度となく出てくる「ランジュを放っておけない」というの、とても好きです。
「相手を放っておけない」「相手のために動きたい」三船が幼馴染を放っておける訳がない、だからこそ彼女は同好会ではなく「鐘嵐珠の側」に居ることを選んだわけで。
本人も硬かったのを「同好会によって変わった」と思っているし、その彼女がランジュを「変える」というか、ランジュに「気づかせる」という方が正確かもしれないけれど、その流れもまた美しい。
姉の薫子に対する複雑な感情にも、最後には「我慢しない」「素直になる」という形で好きを叩きつけたわけですが、このあたりちょっと違う形だけどアニメの「素直でもっといたい」に掛かる感じがあって好きなところ。
鐘嵐珠という「規格外の、普通の女の子」に寄り添い続けようとした三船栞子。
変わらず真面目で変わらず相手想いで、少し素直になった三船栞子は本当に、魅力の塊だと思います。
余談ですがアニメの方の曲で一番好きなのは三船の「EMOTION」です。
「あなたに届け」、いいよね。
まさかこんなに好きになるとは思わなかったんだなあ。
ミア・テイラー
天才作曲家にして飛び級大学生、天才的音楽一家の娘。
結論から言えば私の好きなタイプの「そう望まれた」タイプに近いのかな。
歌の才能も期待されて、でも「ただ楽しんでいただけの自分」とその重圧に圧し負けた。
個人的にはやはり、彼女が「あなた」の曲を使ったしず子のライブで感動「してしまった」のが良かったですね。
私は2ndを通して描かれたものの一つは、恐らくこれまでのシリーズでも大事にされてきた「論理を超えて伝わる『なにか』」だと思うんですが、その一つがミアと「あなた」の曲作りのエピソードだと思います。
ミア・テイラーの、あらゆる曲から「バズる」ものを引き出し作り上げるのは間違いなく才能ではあるけど、それよりも何故か「いつもなら記憶に残らないはず」の「お遊びみたいなライブ」が印象に残ってしまう。
「あなた」の作る曲は技巧としてはミアに並ぶものではないんだろうけど、それでも、という。
この辺り、合流してからは意識的に「あなた」の曲を聞こうとしていたりするのが、才能に甘んじないミアの良さだと思う。
璃奈の感じたシンパシーから踏み出す流れも好きですが、どうにも私は「なにか」の話の方が印象的だった感じがします。
中須とキャンキャンやってるときの「ミア子呼びはりな子に似てるから良し」とかも好きなんですが、この辺り「才能あると人間関係に難」みたいな話にもなるんでしょうか。どちらかというとランジュがそれではあったけどミアもそれを含む気がします。
鐘嵐珠
全ての元凶ではある。んだけどね。
傲岸不遜傍若無人。
に見えるだけの普通の子。
「持って生まれて『しまった』」才能のおかげで、「特別」に扱われて孤立する。
本人は「特別」を全く望んでいなかったし、理解もしていなかった感じだったし、あらゆる言葉は本心も本心で、まあ言い方は治すべきだとしても悪い意味で言ってたわけではなかったんですよね。
この辺り、周りはどうにも振り回されるし言葉はどれも強かったし、なまじ本人に才能もあるしで、なかなか理解されにくかったわけですが。
一番理解者に近かった三船も、ステージに立つ前にはちょっとナイーブ入ってたのか、「あなたと同じにはできない」とか言っちゃったりしましたし、難しいですねランジュ。
表面に出てくる「部に来る方が皆のためなのに」だったり、上から目線に見える言葉も全部本心で、ランジュ自身「部の環境でより高みを目指せる!」と言いたかったんだろうけど、いかんせん言葉が強かった。
グイグイ行くけど伝わらない、コミュニケーションに難があると片付けるのは簡単なんですが、そもそもランジュの場合は「特別」にされたりで距離を作られてきたから、というのはありそう。
何が良くなかったって本人が負けず嫌いなところがあって、しかも万能完璧人間だから大体のことで周りに勝ててしまうところが、なんというか巡り合わせが悪かったよね──。
「あなた」に対しての敵愾心が特に負けず嫌いな感じ。
その上で才能に胡座をかかず努力を怠らず、自分の限界を常に超えていこうとする姿勢はなんというか、「ハリケーン」なエネルギーの別の側面にも見えます。
別の面というと、ランジュの中にはやはり幼少の経験があるのか、「友達」に対する欲求が強いですよね。
子供っぽいところがあるのも関係するところかもしれない。
同好会に来てからは先輩呼びして欲しがったり集合写真ではしゃいだり、部にいるときでも同好会メンバーが行けば大はしゃぎだし、しず子が同好会に戻ったときなんかは本気で寂しかったんじゃないかな。
この辺りの「友達」ネタはアニメでもちらほら見えてましたが、あっちは尺の都合というかなんというか、はしゃぎ方が違う感じですよね。それも味。
才能に溢れた彼女が、「才能だけでは足りない、スクールアイドルにとって大切な『なにか』に届くまで」というのが2nd Seasonの大事なところじゃないかなあと思いました。
むしろ才能とかより大事なものとして描いている気も。
一見して単純なようで、その実は複雑で、それでいてシンプルな面もある。
読み進むたび色々な面を見せてくれる鐘嵐珠は、間違いなく魅力的と言えるのではないでしょうか。
ストーリーのここ好き
キャラにフォーカスして「こういう流れで」という話はできたので場面単位のここ好きの話といいますか、フォーカスしなかった範囲の話。
上3人以外のことになるかな。
「それでも」の中須
中須かすみ株が大幅アップした瞬間。
私は「誰かに否定されても『それでも』を言えるキャラ」が好きなんですが、やはり中須かすみは芯のある女でした。
ある種「なにか」にまつわるシーンでもあると思うんですが、このシーンで中須のことより好きになりました。
直すべき
ちょっとは直したほうがいいぞ……!って読んだときは思ったんですが、今となってはこれも味だな……。
ちゃんと謝れたな
私はやらかしを謝れる人間が好きですよ。
本当にやりすぎだとは思うが……!
努力家
普通ヤバいもの食べたときに「胃腸も鍛える」とは言えませんからね……。ストイックさを全方位に発揮するランジュが私は好きですよ……。
朝香!!!!!!
間違いなく一番好きなシーンの一つ、朝香果林。
やはりこういう、負けず嫌いほど壁にぶつかったときが大きいですよね。
普段余裕ありげな顔をしているというか、年上組なのもあって冷静ぶってる朝香果林がここまで打ちのめされている。
多分だけど「かすみに」「大敗」とは思わなかったんだろうしなー……でも誰であれ負けたら落ち込みそうな人だしなー……。
25章は本当に、自分の「やりたい」「なりたい」を、大人ぶって抑えていた朝香果林の解放だったような気がします。
勝ちたくて勝ちたくて仕方ない、だから部に移ってでも、という貪欲さ。
そこに正直になって、「誰よりも上に行きたい」を肯定できた彼女はさらに美しくなったと思います。
いやあ、やはり一度折られて膝をついて、そこから立ち上がるのは最高ですね……。
めちゃめちゃ長くなったな他のシーンに比べたら。仕方ない。
総括?
通して、やはり「論理を超える『なにか』」だったり「望まずそうあるものの悩み」みたいなところが多く見えて、いい話だったと思うんですよね2nd Season。
個人的に感じたのは、またかと言われそうですがウィン丸の「本当の歌」絡みのことで。
あれをかのんが否定したのは、つまりそういうことですよね。
才能や論理で言えばともかく、あれはスクールアイドルのステージであり、それを作っているのは誰か?とか、そこに必要なものは何か?とか。
期せずしてウィン丸の掘り下げになった感じで、そこも含めて読んでよかった。
「正直そんな燃えるようなものか……?」という感想があるんですが、界隈として初期ランジュや初期三船をはしゃいで読むのは異端扱いってことなのかな。
ああいうキレッキレのセリフが出てくると「どう変わるのか、どう変わらないのか」みたいな楽しみが先に出てきてしまって、嫌いになれないんですよねどうしても。
それはそれとして監視委員会はやりすぎだったと思う。
でも謝ったので許してあげよう?
ランジュもしっかり反省して「あなた」に謝罪しているし、中須から求められたことにも応えているし。
なんというか、やりすぎてはいたけどそれはそれとして、というか……。
まあ監視委員会は……。
さておき、ちゃんと読んでよかったと思うと同時、もっと早くに触れるべきだったと思います。
スパスタ見てからニジに遡って、そこから冒頭の意見をもらって、と迂遠な流れで、しかも機種変前のスマホだと過熱がひどくて動かなかったから敬遠気味とか色々重なり。
いやそれがあってももっと早く読んで最後まで見終えるべきでしたね──。
虫のいい意見かもしれませんがシナリオブックをよろしくお願いします──。
私は少なくとも、これは覚えていたいと思いました。