湖面の底

見たアニメだったり推しだったり、多分酷いことになる

孤独な太陽……ではなかった【スターズ!】

アイカツスターズ!96話最高でした

っていう話です。

パーフェクトさん改めエルザ・フォルテ、出てきてからの感覚は「何しても面白くなりそうな女だ」と思っていたんですが、バックボーンが見えてきてからはもっと素直に刺さった感じがします。

今回は太陽のようなアイドルの話。

 

そもそも

親が悪いよなァ!おい!!

ユキエ・グレース・フォルテ、本当に私の地雷である「(事情はどうあれ)ちゃんと親をやらなかった親」という感じで、それが拗れて太陽のドレスを追い求めたり、それが叶えば全部切り捨てたり、引退宣言してみたり……何もかもお前のせい……!と思ってしまう。

もちろん母フォルテにも仕事だったり事情はあるわけで、そこを斟酌しないのは評価としては歪んでるよなと思うのですが、私の中ではやはり受け入れがたい存在です。

もっと苦手なのはステージママですがそれはさておき。

なんというか、「分かるんだけど!分かるんだけども!それはそれとしてちゃんとしないとあかんでしょ!!!分かるんだけど!!!」というもどかしいやつで、割り切れないから気持ち悪い。

エルザ・フォルテ自身の動機の根底にあるのが「見てほしい、褒めてほしい」と読み取れるのが、どうにも哀しく母フォルテへのフラストレーションが増していきます。

そもそも論自体に「そもそも」価値は薄いのかもしれませんが、でもこれもエルザ・フォルテの味として好きなんですよね。

 

空虚な太陽

自分一人で戦うと宣言して周りの人を顧みないエルザ・フォルテ。

対して自分は一人ではないと自覚して、助けられながらステージに立った虹野ゆめ。

まあ勝てるとは全然思っていなかったんですが、印象的なのはその前の引退宣言。

そもそもの動機が「太陽のドレスの獲得」で、それがあれば勝てて当然だと思ってた感じを受けました。

そうなるとその先、将来的な目標や展望がない。

となれば引退宣言も頷けるというか、内側にある本音は「憧れた母親に見てほしい、褒めてほしい」だったんで、それが叶うにせよ叶わないにせよ続ける意味がない、と。

その先がない彼女が「皆を輝かせたい」という、まあ漠然としていないでもないとはいえ口にできるゆめに敗北するのは必定と思えます。

あくまで一人でパフォーマンスを仕上げた彼女と、周りの皆に助けられてきたゆめというのも対比的で、なんとも哀しいステージ前でした。

それが負けて変わっていくのが素晴らしい、という溜めの話で、負けてからはしっかり前を向けて、「これから」の話をできているのが素晴らしかったです。

 

太陽が一人であるはずもなく

敗北してもちゃんと「おめでとう」と言えるのは流石の貫禄というか、意地なのかもしれませんが。

言ったことには責任を取るのだと解散は撤回しようとしないし、まあ意固地というか頑固というか、よく言えば芯の通った人……?

でもそれに対してヴィーナスアークメンバーの「座り込み」だったりは、本当に「孤独な太陽」だったらありえない事だよな、と思います。

孤独(本人的には孤高かも)と思っているのは本人くらいで、周りの人間は誰も彼も彼女を見上げてついてきた。

そもそもヴィーナスアーク生徒は「エルザ・フォルテが見出して船へ招いた」のであり、そりゃ自分の才能を(降ろされるケースがあるとはいえ)認めてくれた人への感情は少なからずあるのでは、と思うとそりゃ放ってはおけないでしょう。

一人だと思っていたしそのつもりだった。

けれどその実、彼女は慕われていたし支えようとするレイたちがいた。

孤独なわけがない。

負けたあとにそれに気付かされて、なんともスッキリしたいい笑顔で出向を宣言した彼女は、まさしく一皮むけたというやつで素晴らしかったです。

Bon Bon Voyage!

 

最後に

一期で見ていた25代S4が3人卒業して出番も減り、そこに出てきたインパクト抜群の面白女……だったはずが見事に刺さりました。

一人だと思ったままステージ立って負けて、支えられて見上げられているのを自覚して、次の航海へ。

本当に、負ける前後で張り詰め(過ぎ)ていたような厳しい顔が、真っ直ぐな笑顔になっていたのが印象的。

負けた直後、ステージ上で母親に抱きしめられたときの表情も、なんとも「歳相応の子供の顔」をしている感じで、あの顔も良かったです。

ステージが素晴らしいのは当然なので語ってはいませんが、なんとも良いキャラでした。

 

 

 

 

 

それはそれとしてあの大会の大騒ぎの裏で星の翼を手に入れている女、怖すぎるだろ白鳥。